|    『ソルジャー・ブルーとソルジャー・シン…、ですか?』「うん。」
 今日はリオを見かけたから、前にママにした同じ質問をしてみた。
 リオならどっちが好き?って。
 『トォニィ、どうしてそんなことを知りたがるんです?』
 うーん、ママと違って簡単に答えてくれそうにないなぁ…。
 「ソルジャー・ブルーはグランパよりもすごいソルジャーだったっていうから、リオはどう思ってるのかなあって。」
 『…ソルジャー・ブルーとソルジャー・シンは性格が違いますから、私たちを導く方法が違って仕方ないんですが…。
 難しいですねぇ。』
 なんだか本気で悩んでいるみたい。
 でも、リオはずっとグランパのそばにいるんだもん、グランパのほうがいいに決まってる!
 『ソルジャー・ブルーは受動的なところがありましたが、ソルジャー・シンは活動的で、皆との諍いが多かったのはその証拠ですが…。』
 それなのに、難しい言葉をつぶやいて、真剣に悩んでいる。
 おかしいなあ、リオはグランパのこと、好きじゃないのかな?
 『そうですね、私はソルジャー・ブルーでしょうか。』
 「え…?」
 『ソルジャー・ブルーがいなかったら、ソルジャー・シンは私たちのところには来てくれなかったと思います。
 私たちの尊敬するソルジャー・シンがここにいること自体がソルジャー・ブルーの功績だと思いますよ。
 …あれ、トォニィ?どこです?』
 リオは、少し目を離した隙にいなくなってしまったトォニィを探したが、もう気配すら感じられなかった。
  リオなんか嫌いだ、リオは敵なんだ!やっぱりグランパは僕が守らなきゃ!
 保育室の中で、ひとり決意を新たにする幼児トォニィがいた。
 
 
 
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