「ママ、ソルジャー・ブルーって知ってる?」
もう寝ようとママが明かりを落とそうとしたとき、僕は意を決して聞いてみた。
するとママはにっこり笑った。
「ええ、ママが小さいころにお会いしたっきりだけどね。
ソルジャー・シンの前のソルジャーだったのよ。」
それは知ってる。じゃあ…。
「じゃあさ、ママはグランパとソルジャー・ブルーとどっちが好きなの?」
そう言ったら、ママの顔が真っ赤になった。あれ?ママ熱でもあるのかな?
「まあ、この子ったら!ママ困るわ、そんなこと聞かれたって!どっちかなんて選べないわ!!」
困るといいながら、ママすごく嬉しそうなんだけど…。
…やっぱり大人ってよく分かんない。
「だって、二人とも全然違うタイプなんだもの!
そうね、ソルジャー・ブルーは冷静沈着な理想的な指導者で、ジョミーは…、あ、ママ昔、ソルジャー・シンのことをジョミーって呼んでたんだけど、ジョミーは荒削りで不器用なところもあるけれど、私たちのために一生懸命になってくれるし!
それになんと言っても二人ともすごくかっこいいわ〜!でも外見も正反対で…!」
んもう、ママってばなんだか自分の世界に入っちゃってるし。しばらく嬉しそうなママの興奮状態が収まるのを待つことにして。
「でも、どうしたの?急にソルジャー・ブルーの話なんかして。」
「あー、ちょっとトモダチからきいてさ…。
それでママはどっちなの?」
「どうしてもどっちか決めなきゃいけないの?」
「うん。」
困ったわねーと言いながらママは首を傾げていた。
「そうね、ママはジョミーかな。」
「ホント!?」
単純に、嬉しかった。
ほら、ママだってグランパの方がいいんだよ!
「ありがとう、ママ、大好き!」
「まあ、今日はどうしたっていうの、トォニィ?」
「ううん、何でもない!寝ようよ、ママ。」
これで僕とママが味方だよ。
ソルジャー・ブルーになんて負けないでね、グランパ!
現実逃避のようにこんな話を書く私…。Xデーは目の前なのに…。 |
|